うさぎさんの食生活は牧草だけでいい?──飼い主が迷いやすい“牧草と栄養”の考え方
うさぎさんを飼っていると、必ず一度は迷うのが「牧草だけの食生活で本当に大丈夫なの?」という疑問です。
SNSやネット記事では「牧草が主食」と言われる一方で、「牧草だけでは栄養が足りない」「ペレットは必要」という情報もあり、何を信じたらよいのか分からなくなる方も多いのではないでしょうか。
うさぎの健康維持において**うさぎ牧草(チモシーなどの乾燥牧草)**は、最も大切な食べ物です。
しかし、実際には牧草だけで完璧に栄養をまかなえるわけではありません。本記事では、うさぎの食生活の理想バランスを、やさしく・分かりやすく解説します。
目次
■ 結論:うさぎ牧草は“主食”。でも「牧草だけ」では不足するものがあります。
Q. うさぎさんは牧草だけを食べて生きていける?
A. 主食は牧草ですが、牧草のみでは体重が減ってしまう子がいます。
うさぎ牧草には豊富な食物繊維が含まれており、
・腸のぜん動運動を促す
・毛球症の予防につながる
・歯の自然な摩耗に役立つ
といった健康維持に欠かせない働きがあります。

しかし、牧草は繊維質に優れる反面、栄養価(特にたんぱく質・ビタミン・ミネラル)は低めです。
そのため、牧草だけを食べているうさぎさんの中には、
- 体重が徐々に減ってくる
- 毛ツヤが悪くなる
- 活力が落ちる
こういった変化が出てしまう場合があります。
特に、
✔ シニア期
✔ 病中・病後
✔ もともと痩せ体質
✔ 活発で消費エネルギーが大きい子
こういったうさぎさんは、牧草だけではカロリー・栄養不足になりやすい傾向があります。
■ 足りない栄養を補うには?
ペレット・生野菜・生牧草を「適量」足すのが最適解です
牧草を主食としつつ、足りない栄養は以下で補うのが理想的です。
● ペレット
うさぎに必要なミネラル・ビタミン・たんぱく質をバランスよく補えます。
重要なのは**“適量”であること**。
体重に応じた必要量(各メーカーの目安)を参考にしましょう。
目安例(一般的な成うさぎの場合):
- 体重1kgあたり約15〜20g/日
食欲にムラがある子は、数回に分けて与えるのもおすすめです。
● 生野菜
水分・ビタミン類を補えて、食べる楽しみが生まれます。
ただし、与えすぎは下痢につながるため、
**「1日の食事の20%以内」**を目安にすると安心です。
おすすめ野菜:
- にんじん葉
- パセリ
- 小松菜
- 明日葉
- 春菊
など
※急に量を増やさず、慣らしながら与えることが大切です。
● 生牧草
乾燥牧草が苦手な子でも「生牧草はよく食べる」というケースは多く、
高い嗜好性と適度な水分で、食欲アップのサポート食として非常に優秀です。
- 食べ始めの若い子
- 食欲不振ぎみの子
- シニア期
こういった子の“食べるきっかけ作り”にも役立ちます。
■ うさぎの食生活の基本構造は「牧草の土台の上に、補助食」
食事のイメージはこのようになります。
【主食】うさぎ牧草(チモシー、イタライ、オーツヘイ等)
↑
栄養の土台・健康の要(毎日たっぷり)
【補助】ペレット
↑
不足しやすい栄養を補う
【楽しみ&栄養補助】生野菜・生牧草
↑
食欲の刺激、ビタミン摂取
大切なのは、
「牧草をたくさん食べる環境を整えたうえで、他の食材を適量足す」
という考え方です。
牧草がしっかり食べられていない状態でペレットや野菜が多すぎると、
・盲腸便の乱れ
・肥満
・硬い牧草をかまなくなる(不正咬合リスク)
こういった問題につながることもあります。
■ 牧草を食べない子にはどうしたらいい?
実は、うさぎの“牧草嫌い”は珍しくありません。
環境・鮮度・品種・硬さの好みなど、理由は様々です。
試せる工夫としては:
- 香りの強い新鮮な牧草に切り替える
- イタリアンライグラスやオーツなど、嗜好性の高い牧草に変える
- 細長カット・ソフトタイプの牧草にしてみる
- 生牧草から入り、乾燥牧草につなげる
- 1日の牧草をこまめに入れ替える
うさぎはとても繊細で、牧草の“香りの抜け”や“粉っぽさ”を嫌う子が多いです。
そのため、鮮度の良い国産牧草や、収穫後すぐ乾燥させた牧草は、多くの子が好んで食べる傾向があります。
■ まとめ:牧草は一番大切。でも「牧草だけ」で完璧ではありません。
● 牧草=主食(絶対に欠かせない)
● 牧草だけでは栄養・カロリー不足になることがある
● ペレット・生野菜・生牧草を“適量”足してバランスをとる
● 牧草を食べない子には、鮮度・品種・硬さの見直しが有効
うさぎさんの食生活は「牧草中心+補助食のバランス」が最も長く健康を守ります。
毎日の食事に少し意識を向けることで、うさぎさんの食欲・元気・体調は大きく変わります。
飼い主さんも、うさぎさんも、無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。
食いつき良い乾燥牧草をぜひ試してみませんか?

