高齢うさぎさんの介護|食事・牧草・寝たきりのケアと飼い主さんの実例

「最近、牧草を食べる量が減ってきた」

「今まで大好きだったペレットを食べなくなった」

「足腰が弱くなって、動くのも大変そう……」

うさぎさんが高齢になると、若い頃にはなかった変化が少しずつ出てくることがあります。

長年一緒に暮らしてきたからこそ、

「少しでも長く元気でいてほしい」

「最後まで、おいしいものを食べさせてあげたい」

という飼い主さんの気持ちは、とてもよく分かります。

うさぎ畑にも、高齢うさぎさんと暮らす飼い主さんから、食事や牧草、介護についてたくさんのご相談が届いています。

今回は、実際にうさぎ畑へ寄せられた飼い主さんの声をご紹介しながら、高齢うさぎさんの介護で大切にしたいことをまとめます。

牧草食べないうさぎ

高齢うさぎさんは、食べ方が変わることがあります

うさぎさんは年齢を重ねると、食べる量や好み、食べやすいものが変わることがあります。

特に注意したいのが「牧草を食べなくなった」という変化です。

うさぎ畑には、こんな声が届いています。

「10歳9ヶ月のシニアうさぎが、ペレットやサプリは食べるものの、急に牧草を食べる量が減りました」

また、11歳のうさぎさんについて、

「2年前から、やわらかチモシー、アルファルファ、オーツヘイなど試してきましたが、季節の変わり目などは、ほとんど食べなくなり、ペレットに頼るしかない日々。最終的には病院にいって注射や強制給餌になることを繰り返していました」

という声もありました。

高齢になると、単純な「好き嫌い」だけではなく、歯や口の状態、体調、運動量など、さまざまな要因で食べ方が変わることがあります。

そのため、

「昔は食べていたから、今も同じものを食べるはず」

と考えるのではなく、

「今のこの子が食べやすいものは何だろう?」

と考えてあげることが大切です。

高齢うさぎさんの牧草は「硬さ」だけで決めない

高齢うさぎさんの食事で、特に悩みやすいのが牧草です。

「牧草を食べてほしい。でも硬い牧草は食べられない」

そんな場合もあります。

実際に、8歳のホーランドロップさんの飼い主さんからは、

「歯根が上下とも伸びて、今まで好んで食べていたものがことごとく食べられなくなった」

という相談がありました。

ところが、いろいろな牧草を試した結果、

「こちらの茶葉多いチモシーのサンプルは、あげた瞬間にモシャモシャと!!」

と食べてくれたそうです。

また、別の8歳のうさぎさんでは、

「8歳になり、牧草を食べなくなって奥歯が伸びて来てしまい、こまっていました。今、こちらの牧草にしたらとても良く食べてくれました」

という声も届いています。

高齢うさぎさんの場合、「一番刈りだから良い」「柔らかいから良い」と一律に決めるのではなく、その子の歯や口の状態、好み、食べる姿勢などを見ながら選んでいくことが大切です。

特に歯のトラブルがある場合は、牧草を食べないこと自体が歯の痛みなどのサインである可能性もあります。

「最近急に牧草を食べなくなった」という場合は、単なる好みの変化と決めつけず、動物病院で口腔内や全身状態を確認してもらいましょう。

「何でもいいから食べてほしい」という気持ち

介護中の飼い主さんから、よく届くのが、

「とにかく何でもいいから食べてほしい」

という言葉です。

10歳のうさぎさんの飼い主さんからは、

「最近食欲が無かった為に病院に連れて行ったら腸にガスが溜まっていて現在投薬中です。食欲がないなか何とか食べてくれたのが生野菜でした」

という声がありました。

また、別の高齢うさぎさんでは、

「歯を悪くしてから、やわらかい介護食が主食となり、生野菜は好きだけどあまり食べられない。ただ、やわらかい葉を小さくちぎってやると少しずつ、美味しそうに食べてくれる」

というケースもありました。

高齢期には、若い頃と同じ食事内容をそのまま維持することが難しくなることがあります。

大切なのは、「理想の食事」にこだわりすぎてしまうことではなく、獣医師と相談しながら、その子の体調や歯の状態に合わせて「今できる食事」を探していくことです。

もちろん、野菜だけ、生ものだけなどに自己判断で切り替えるのではなく、持病や体重、消化管の状態などを考慮する必要があります。

強制給餌は「食べないからすぐ」ではありません

高齢うさぎさんの介護では、強制給餌・シリンジ給餌が必要になることもあります。

しかし、食べない原因によっては、自己判断で強制給餌をすることが危険な場合があります。

うさぎが食べない場合、消化管のうっ滞だけでなく、歯の痛み、胃腸のトラブル、閉塞など、さまざまな原因が考えられます。

特に消化管閉塞が疑われるケースでは、強制的に食べさせることが適切ではない場合があります。食欲低下や排便量の減少が見られたら、できるだけ早く動物病院へ相談してください。

獣医師からシリンジ給餌を指示された場合は、うさぎさんを自然な姿勢に保ち、少量ずつ、飲み込むことを確認しながら行います。

急いで大量に入れてしまうと、誤嚥の危険があります。シリンジ給餌は「食べさせれば終わり」というものではなく、治療と並行して行うサポートです。

寝たきりになったうさぎさんの介護

病気や高齢によって、足腰が弱くなったり、寝たきりになったりするうさぎさんもいます。

実際に、うさぎ畑のお客様からは、

「エンセファリトゾーンになり、食欲不振から始まり、眼振、首の斜頸と寝たきりになってしまい、自分でご飯や水分も取れなくなり、強制給餌の毎日が始まりました」

という声が届いています。

その後、このうさぎさんは食べられる牧草を探し、バヒアグラスを与えたところ、

「少しずつ食べる量も増え、カリカリのフードも食べてくれるようになり、水まで飲めるようになりました」

さらに、

「寝たきりではありますが、自分でとどくところにある草やフードは食べられるまで回復しました。ほぼ出なかったうんちが丸く大きくなりました」

とのことでした。

このような変化を見ると、介護をしている飼い主さんにとって、「食べてくれる」ということがどれほど嬉しいことなのかを改めて感じます。

寝たきりのうさぎさんの場合は、体勢や床面の状態、排泄物による皮膚の汚れなどにも注意が必要です。

同じ姿勢が長く続かないよう、獣医師の指示を受けながら体勢を調整し、皮膚や被毛を清潔に保つことも大切です。

高齢うさぎさんのケージ環境を見直す

若い頃は何でもなかった段差が、高齢になると負担になることがあります。

ケージやサークルの中を見渡して、

・段差が大きくないか
・滑りやすくなっていないか
・水や食事に無理なく届くか
・トイレへの出入りが負担になっていないか
・寝る場所は十分に休めるか

を確認してみましょう。

特に足腰が弱くなったうさぎさんでは、転倒やケガにつながるものがないか確認しておくと安心です。

「昔からこの環境だから大丈夫」ではなく、今のうさぎさんの身体に合わせて少しずつ環境を変えていきましょう。

グルーミングも高齢期には大切

高齢になると、自分で毛づくろいをする力が弱くなることがあります。

毛が汚れていたり、抜け毛が多く残っていたりしないか、日々チェックしてあげましょう。

特にお尻や足の裏などは、汚れがないか確認してあげたい場所です。

ただし、無理に長時間グルーミングをすると、それ自体がストレスになることもあります。

「今日はここまで」と短時間で終わらせるなど、その子の体力に合わせてあげてください。

「食べなくなった」だけではなく、うんちも見てください

高齢うさぎさんの介護では、「食べた量」だけでなく「うんち」を毎日見ることも大切です。

うさぎ畑にも、

「9歳のネザーランドです。チモシーをあまり食べないのでオーツヘイを食べさせています。最近食べる量が減ってしまい、うんちの量も減り、小さいうんちが多いです」

という相談がありました。

うんちが小さくなった、数が減った、形がいつもと違う。

こうした変化は、食事量や消化管の状態を確認するきっかけになります。

うさぎは体調不良を分かりやすく表に出さないこともあります。食欲や飲水、排便、活動量などの変化は早めに確認し、気になる場合は動物病院へ相談しましょう。

「何を食べさせるか」だけではなく「どう食べてもらうか」

高齢うさぎさんの介護では、食べ物そのものだけでなく、食べ方を工夫することもあります。

例えば、

・牧草を短くして食べやすくする
・柔らかい葉の多い牧草を試す
・数種類を少量ずつ用意する
・食べやすい高さに器を置く
・好きなものを手から与える
・食べる場所を落ち着ける環境にする

など、その子に合わせた工夫があります。

実際に、11歳のうさぎさんの飼い主さんからは、

「前回送って頂いたイタライ、全く牧草を食べなくなった10歳の子が少しずつですが、食べてくれました」

という嬉しい声もいただきました。

一方で、11歳半のうさぎさんでは、

「残念ながら食べてくれなかったです。他の牧草も挑戦してみようと思います」

というケースもあります。

ここが、高齢うさぎさんの介護の難しいところです。

「この牧草なら絶対に食べる」というものはありません。

だからこそ、食べないことに落ち込むのではなく、

「次は何なら食べてくれるかな?」

と、その子のペースで探していくことが大切なのだと思います。

介護で一番大切なのは、飼い主さんが一人で抱え込まないこと

高齢うさぎさんの介護は、決して簡単なことではありません。

食事の準備。

シリンジ給餌。

投薬。

通院。

体重測定。

うんちの確認。

ケージの掃除。

夜中の様子の確認。

それを毎日続けることは、飼い主さんにとっても大きな負担になります。

だからこそ、全部を完璧にやろうとしないでください。

獣医師に相談できることは相談する。

家族に手伝ってもらえることは手伝ってもらう。

介護用品を使えるところは使う。

そして、飼い主さん自身もしっかり休む。

長く一緒に暮らしてきたからこそ、うさぎさんのちょっとした変化に気づけるのは、飼い主さんだからこそです。

「食べてくれた」という小さな喜びを大切に

うさぎ畑には、13歳まで長生きしたうさぎさんのお話も届いています。

「高齢で固い食べ物が食べられなくなった後も、うさぎ畑さんのにんじん葉だけはいつも完食でした」

というお客様。

また、

「12歳を過ぎてからペレットを食べなくなって、にんじんの葉っぱをすごく食べてくれて、今はにんじんの葉っぱとケールだけで毎日過ごしています」

という13歳のうさぎさんのお話もありました。

もちろん、すべての高齢うさぎさんに同じことが当てはまるわけではありません。

それでも、

「昨日は食べなかったのに、今日は少し食べてくれた」

「うんちが少し大きくなった」

「自分で水を飲んでくれた」

「大好きな葉っぱを嬉しそうに食べてくれた」

そんな小さな変化が、介護をしている飼い主さんにとって大きな喜びになるのではないでしょうか。

高齢うさぎさんとの時間を、焦らず大切に

高齢になったうさぎさんの介護には、正解が一つあるわけではありません。

若い頃と同じように食べられなくなっても。

好きだった牧草を食べなくなっても。

歯の状態によって食べられるものが変わっても。

足腰が弱くなっても。

その子の今の状態に合わせて、できることを一つずつ探していく。

それが高齢うさぎさんの介護なのだと思います。

「もっと食べさせなきゃ」

「もっと何とかしなきゃ」

と頑張りすぎてしまう飼い主さんも多いと思います。

でも、長く一緒に過ごしてきた飼い主さんだからこそ分かる、

「今日はこれなら食べそう」

「この姿勢なら楽そう」

「この牧草なら少し食べてくれる」

という感覚も、とても大切です。

うさぎ畑には、今日も「うちの子に食べてもらえるものを探しています」という飼い主さんから、たくさんの声が届いています。

私たちも農家として、少しでも「食べてくれた」という喜びにつながる牧草や野菜をお届けできるように、これからも一つひとつ丁寧に育てていきたいと思っています。

高齢うさぎさんとの毎日は、決して楽なことばかりではありません。

でも、

「今日も食べてくれたね」

「今日も一緒にいられたね」

そんな一日一日が、飼い主さんとうさぎさんにとって大切な時間なのだと思います。

どうか焦らず、その子のペースで。

そして、飼い主さん自身も無理をしすぎずに。

高齢うさぎさんとの時間を、できるだけ穏やかに過ごしてあげてください。

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