介護うさぎさんへの牧草の考え方|高齢・病気で牧草を食べられないときに考えたいこと
「うちの子、もう自分で牧草を食べられないんです」
「高齢になってから、牧草を食べる量が減ってしまいました」
「介護が必要になったうさぎにも、牧草は必要なのでしょうか?」
うさぎさんが年齢を重ねたり、病気になったりすると、これまで当たり前だった「自分で食べる」ということが難しくなる場合があります。
そんな姿を見ている飼い主さんは、
「何とか食べさせてあげたい」
「少しでも栄養をとってほしい」
「牧草を食べないけど、このままで大丈夫なのかな」
と、いろいろな不安を抱えているのではないでしょうか。
今回は、そんな介護が必要になったうさぎさんと牧草の付き合い方について考えてみます。

介護が必要なうさぎさんにも牧草は必要?
まず大切なのは、うさぎさんにとって牧草に含まれる食物繊維は、若いうちだけ必要なものではないということです。
高齢になったから、病気になったからといって、牧草の食物繊維が必要なくなるわけではありません。
ただし、ここで気をつけたいのが、
「牧草が必要だから、硬い牧草を何としてでも食べさせる」
という考え方です。
介護が必要なうさぎさんの場合、歯や顎の状態、体力、姿勢、病気の種類などによって、自分で牧草を噛むこと自体が難しくなっている可能性があります。
今まで普通に食べていた牧草を食べなくなったからといって、
「好き嫌いが激しくなった」
「わがままになった」
と決めつけることはできません。
「食べたいけれど、食べることが難しい」
という場合もあるからです。
だからこそ、介護期の牧草は「何を食べさせるか」だけではなく、「どうやって食物繊維をとってもらうか」という視点も大切になります。
自力で食べられないときは、別の方法もあります
病気や高齢によって自力で食べることが難しくなった場合には、動物病院で相談しながら、シリンジなどを使って食事を補助する方法があります。
ラビットフードをふやかして与える方法もありますし、牧草についても、牧草を細かくしたものを利用して食物繊維を補う方法があります。
ただし、強制給餌が必要かどうか、何をどれくらい与えるかは、うさぎさんの状態によって変わります。
自己判断で無理に進めるのではなく、獣医師に相談しながら進めてください。
そして、もし自力で牧草を食べられるのであれば、
「食べられる範囲で牧草を食べてもらう」
ということも大切です。
高齢だから「柔らかいものだけ」でいい?
介護をしていると、
「もう年だから、柔らかいものだけにしたほうがいいのかな」
と考えることもあると思います。
もちろん、食べる能力が落ちているうさぎさんに、無理をさせる必要はありません。
ただ、自力で食べられる状態なら、可能な範囲で茎も含まれている牧草を食べてもらうことも考えてみてください。
牧草は、単にお腹を満たすためだけの食べ物ではありません。
牧草に含まれる食物繊維を摂取することは、うさぎさんの食生活を考えるうえで大切な要素です。
だからこそ、
「高齢だから牧草はもう必要ない」
とは考えず、
「この子の今の状態なら、どんな牧草なら食べられるだろう?」
と考えてみることが大切です。
今まで硬い牧草を食べてこなかった子はどうする?
ここも、介護うさぎさんの飼い主さんが悩みやすいところです。
若いころから柔らかい牧草を好んで食べていた子に、いきなり硬い牧草を与えても、簡単には食べてくれないかもしれません。
特に高齢になってから食べる力が落ちている場合は、なおさらです。
だから、
「牧草を食べさせなきゃ!」
と頑張りすぎるよりも、
その子が今、どのくらいなら噛めるのか。
どんな硬さなら食べられるのか。
葉の部分なら食べるのか。
香りが強いものなら興味を示すのか。
というように、うさぎさんの様子を観察してみてください。
牧草には、硬さや太さ、香りなどさまざまな違いがあります。
「牧草」というひとくくりで考えず、その子に合うものを探していくことも大切です。
「食べてくれるものがある」ことは、介護中の大きな安心になります
うさぎ畑には、食欲が落ちているうさぎさんについて、飼い主さんからさまざまな声が届いています。
なかには、
「うっ滞で、生イタライしか食べてくれなくなった」
という飼い主さんからの相談もありました。
病気になったことで、今まで食べていたものを食べなくなってしまう。
そんなとき、飼い主さんは本当に焦ります。
「何か食べさせないと」
「でも何なら食べてくれるんだろう」
と、必死になってしまいますよね。
だからこそ、普段から「この子は何が好きなのか」を知っておくことには意味があります。
実際に、うさぎ畑には、
「病気療養中でしたので、好んで食べられるものを与えられてとても助かりました」
という声も届いています。
また、牧草についても、
「風味が変わったり、はじめてだと食べてくれないことが多いのですが、残さず食べてくれました」
という声がある一方で、「お試ししたけれど、あまり食べてくれなかった」という声もあります。
これは、決して悪いことではありません。
なぜなら、
「この子はこれは食べない」
ということも、介護をするうえでは大切な情報だからです。
介護では「完璧な食事」より、その子の状態を見る
介護をしていると、どうしても飼い主さん自身が追い詰められてしまいます。
「牧草を食べさせなきゃ」
「ちゃんと栄養をとらせなきゃ」
「もっと食べてもらわないと」
そう思うほど、食べてくれない姿を見るのがつらくなります。
でも、うさぎさんの介護では、毎日同じように食べられるとは限りません。
昨日は食べたのに、今日は食べない。
朝は食べなかったけれど、夜になったら少し食べた。
硬いものは食べないけれど、柔らかいものなら口にする。
そんな変化が起こることもあります。
だからこそ、
「昨日はこれだけ食べた」
だけではなく、
「今日は何なら食べられた?」
「どんな姿勢なら食べやすそう?」
「牧草のどの部分を食べている?」
など、その日の様子を見てあげることが大切です。
牧草を食べられない=飼い主さんの失敗ではありません
介護をしている飼い主さんに、一番伝えたいことがあります。
それは、
牧草を食べられないからといって、飼い主さんの努力が足りないわけではない
ということです。
高齢や病気によって、食べることそのものが難しくなることがあります。
今まで大好きだった牧草を食べなくなることもあります。
そんなときに、
「もっと良い牧草を探さなきゃ」
「私のあげ方が悪いのかな」
と、自分を責めなくて大丈夫です。
必要なのは、「正解の牧草」を無理に探すことではなく、
今のこの子に何ができるのか
を考えること。
自力で食べられるなら、食べられる牧草を探す。
硬いものが難しいなら、食べられる形を考える。
自力で食べること自体が難しいなら、獣医師に相談して食事を補助する。
その時々の状態に合わせて、できることを少しずつ考えていけばいいのです。
最後まで、その子らしい「食べる」を大切に
うさぎさんは、年齢を重ねても、病気になっても、うさぎさんです。
できることが少しずつ変わっていっても、
「食べたい」
「おいしい」
「これなら食べられる」
という気持ちが残っているかもしれません。
だからこそ、介護の食事では「昔と同じように食べさせる」ことだけを目標にしなくてもいいのだと思います。
牧草の食物繊維は、うさぎさんの食生活にとって大切なもの。
でも、その摂り方は一つではありません。
自力で牧草を食べられる子には、無理のない範囲で牧草を。
自力で食べることが難しい子には、獣医師と相談しながら食事を補助する方法を。
そして、何より大切なのは、その子の体調や食べる力を見ながら、その子に合った方法を探してあげることです。
「もう高齢だから牧草はいらないのかな?」
「病気になってから牧草を食べなくなった」
「介護になって、何を食べさせたらいいのか分からない」
そんな悩みを抱えている飼い主さんへ。
焦らなくて大丈夫です。
その子が今できることを見ながら、食べられるものを一緒に探していきましょう。
そして、食欲が大きく落ちた、食べられない状態が続いている、うんちが極端に減った、元気がないなどの変化がある場合は、牧草選びだけで解決しようとせず、早めに動物病院へ相談してください。
牧草は、一生うさぎさんの食生活を支える大切な存在。
だからこそ、最後まで「その子に食べられる方法」を考えてあげたいですね。
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