高齢のうさぎさんへの牧草の与え方|牧草を食べないシニアうさぎにできること

うさぎさんは年齢を重ねるにつれ、若い頃とは食事の好みや食べ方が変わってくることがあります。

「以前はチモシーをよく食べていたのに、最近は残すようになった」

「硬い茎を残して、柔らかい葉っぱばかり食べる」

「10歳を過ぎてから、牧草を食べる量が減ってきた」

高齢のうさぎさんと暮らしている飼い主さんから、こうしたご相談をいただくことは少なくありません。

特にシニア期になると、牧草を食べないことをきっかけに、飼い主さんが「どうしたら食べてくれるんだろう」と悩んでしまうことがあります。

今回は、うさぎ畑に実際に届いた飼い主さんの声をご紹介しながら、高齢のうさぎさんへの牧草の与え方について考えてみたいと思います。

チモシー食べないうさぎ

高齢うさぎは「今まで食べていた牧草」を食べなくなることがある

若い頃には問題なく食べていた牧草でも、年齢を重ねると食べ方が変わることがあります。

例えば、

・硬い茎を残すようになった
・柔らかい葉の部分を好むようになった
・一番刈りを食べなくなった
・牧草を食べる量そのものが減った
・以前好きだった牧草に興味を示さなくなった

といった変化です。

実際に、うさぎ畑には10歳前後のうさぎさんについて、こんな声が届いています。

「以前は凄く牧草をたべていたのですが10歳になり、最近牧草を食べなくなってしまったのでどうにか食べさせたくどんな牧草にしたら良いか悩んでいます。」

この「以前は食べていたのに」というところが、高齢うさぎさんの牧草選びで難しいところです。

飼い主さんからすると、

「今まで食べていたから、同じ牧草を与えておけば大丈夫」

と思いたくなります。

でも、うさぎさんの体の状態や好みは、少しずつ変化しているのかもしれません。

高齢うさぎが牧草を食べないとき、まず確認したいこと

ここで大切なのは、牧草を食べなくなった理由を「年齢のせい」とだけ考えないことです。

高齢のうさぎさんでは、歯のトラブルが食事に影響していることもあります。

特に不正咬合など歯に問題がある場合、硬い牧草を噛みにくくなり、食べられる牧草の種類が限られてくることがあります。

実際に、うさぎ畑には8歳、9歳、10歳、11歳、12歳以上のうさぎさんについて、歯の状態と牧草に関するご相談がたくさん届いています。

例えば、8歳のネザーランドドワーフの飼い主さんからは、

「元々歯が悪く、片側の上下はグラグラでほぼ噛めずで、歯キリで病院に行くのですが、最近一番がりチモシーをあまり食べずにいたので、日々のケアとして牧草の見直しをしたく」

というご相談がありました。

また、9歳のジャージーウーリーについて、

「2年前に不正咬合になってからチモシー1番刈りを食べなくなり」

という声もありました。

このように、「高齢だから牧草を食べない」のではなく、年齢とともに歯の状態などが変化し、その結果として「今まで食べていた牧草が食べにくくなった」というケースもあります。

急に牧草だけでなくペレットや野菜まで食べなくなった場合、うんちが明らかに少なくなった場合などは、牧草の種類を変える前に動物病院へ相談することも大切です。

高齢うさぎには「柔らかい牧草」を試してみる

では、高齢のうさぎさんが硬い牧草を食べにくそうにしている場合、どうすればよいのでしょうか。

ひとつの方法として考えられるのが、柔らかく食べやすい牧草を試してみることです。

チモシーにも、硬さや葉の多さなどさまざまなタイプがあります。

また、チモシーだけにこだわらず、イタリアンライグラスやオーツヘイなど、別の牧草を試してみる方法もあります。

実際に、11歳の高齢うさぎさんについて、こんなレビューがありました。

「2年前から、やわらかチモシー、アルファルファ、オーツヘイなど試してきましたが、季節の変わり目などは、ほとんど食べなくなり」

牧草を食べなくなったからといって、「一番刈りチモシーを食べさせなければ」と一つの種類にこだわりすぎる必要はありません。

その子が「今、食べられる牧草」を探していくことも大切です。

「柔らかい牧草だけ」でなく、複数の牧草を組み合わせる

高齢うさぎさんの牧草選びで、私がよくおすすめしたい方法のひとつが、複数の牧草を組み合わせることです。

例えば、

「柔らかくてよく食べる牧草+少し硬めの牧草」

という組み合わせです。

もちろん、歯の状態によっては硬い牧草を無理に食べさせることが難しい場合もあります。

そのため、「硬い牧草を食べさせなければ」と考えるよりも、まずはその子が食べてくれる牧草を確保すること。

そのうえで、食べられそうな別の牧草を少量ずつ混ぜてみる。

そんな柔軟な考え方が大切だと思います。

実際に、11歳のうさぎさんからは、

「市販のチモシーとうさぎ畑のイタライを、混ぜたら、日頃食べないチモシーまで食べてくれました!」

という嬉しい声も届いています。

最初から全部を変えてしまうのではなく、「好きな牧草に別の牧草を少し混ぜる」という方法なら試しやすいかもしれません。

高齢うさぎが「イタリアンライグラス」を食べてくれた例

うさぎ畑には、チモシーを食べなくなった高齢うさぎさんに、イタリアンライグラスを試したという声もあります。

12歳のうさぎさんについて、

「このイタライならたくさん食べてくれている」

という声。

さらに12歳半の高齢うさぎさんからは、

「歯が悪くずっと流動食生活ですが、調子が良い時はこの牧草の食感が一番好きなようで、久しぶりにたくさん食べてくれました。自力で食べる姿を見ることができてとても嬉しいです。」

というレビューもいただきました。

もちろん、すべての高齢うさぎさんがイタリアンライグラスを食べるわけではありません。

実際、11歳半のネザーランドドワーフでは、イタリアンライグラスのサンプルを食べなかったという声もあります。

だからこそ、「高齢うさぎにはこの牧草」という正解はありません。

その子が食べてくれるものを、少しずつ探していく。

それが牧草選びでは大切なのだと思います。

8歳、10歳、11歳……高齢になるほど「食べてくれること」を大切に

うさぎさんが高齢になると、

「歯のために硬い牧草を食べてほしい」

「繊維をしっかり摂ってほしい」

という飼い主さんの気持ちは、ますます強くなると思います。

でも、飼い主さんが「これを食べてほしい」と思う牧草と、うさぎさんが「これなら食べられる」と思う牧草が違うこともあります。

8歳10ヶ月のシニアうさぎさんに茶葉の多いチモシーを試したところ、残念ながら食べなかったという声もありました。

一方で、同じような高齢期の8歳のホーランドロップでは、

「歯根が上下とも伸びて今まで好んで食べていたものがことごとく食べられなくなり、他の牧草もいろいろ試しましたがなかなか食べてくれるものが見つからず」

という状況から、茶葉の多いチモシーを

「あげた瞬間にモシャモシャと!!」

食べてくれたという嬉しいご報告もありました。

同じ「高齢うさぎ」でも、食べる牧草は一羽一羽違います。

だからこそ、いろいろな選択肢を持っておくことが、シニア期の牧草選びでは大切なのだと思います。

「食べない」ではなく「今はこれなら食べられる」と考えてみる

高齢のうさぎさんが牧草を食べなくなると、

「どうして食べてくれないんだろう」

「飼い主のあげ方が悪いのかな」

と、自分を責めてしまう飼い主さんもいます。

でも、うさぎさんは年齢や歯の状態、体調、好みなどによって、食べられるものが変わっていくことがあります。

だから、

「チモシーを食べない」

ではなく、

「今はどんな牧草なら食べられるんだろう?」

と考えてみる。

それだけでも、牧草選びの見え方が少し変わるかもしれません。

硬い一番刈りを食べなくなったら、柔らかいチモシーを試す。

チモシーを食べないなら、イタリアンライグラスやオーツヘイなど別の牧草を試す。

好きな牧草に、別の牧草を少量混ぜてみる。

葉の多いタイプを試してみる。

その子に合った食べ方を探していく。

高齢うさぎさんには、そんな「柔軟な牧草選び」が必要なのだと思います。

高齢うさぎの牧草選びに「これが正解」はありません

うさぎさん一人一人、歳の取り方が違います。

8歳でも元気に硬いチモシーを食べ続ける子もいれば、10歳を過ぎて柔らかい牧草を好むようになる子もいます。

歯の状態によって、昨日まで食べられていた牧草が急に食べにくくなることもあります。

だからこそ、高齢うさぎさんの牧草選びでは、「何歳だからこの牧草」と決めるのではなく、その子の今の状態を見ながら選んでいくことが大切です。

そして、牧草を食べる量が急に減ったときや、ペレット・野菜など他の食事も食べなくなったとき、うんちの量や大きさに明らかな変化があるときは、牧草選びだけで解決しようとせず、早めに動物病院へ相談してください。

「少しでも食べてほしい」

「できるだけ長く元気でいてほしい」

高齢のうさぎさんと暮らす飼い主さんなら、きっとそんな気持ちを持っていると思います。

うさぎ畑にも、毎日のように「この牧草なら食べてくれました」「今まで食べなかったのに、少し食べてくれました」という声が届きます。

その一方で、試しても食べなかったという声もあります。

だからこそ、私たちは「この牧草なら絶対に食べます」とは言いません。

一羽一羽違ううさぎさんのために、少しでも選択肢を増やしてあげたい。

高齢になって牧草を食べなくなったときも、「もう食べてくれない」と諦めるのではなく、「この子が今、食べられる牧草は何だろう」と一緒に探していく。

それが、シニアうさぎさんの牧草選びなのだと思います。

これからも、うさぎ畑に届いた飼い主さんの声をもとに、高齢うさぎさんの牧草の与え方や、牧草を食べないときの工夫についてご紹介していきます。

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