うさぎの歯の病気「不正咬合」と牧草を食べない問題|飼い主さんの実例から考える食事
「うちの子、最近牧草を食べなくなった」
「今まで大好きだった牧草を残すようになった」
「歯が伸びていると言われました」
「不正咬合があって、何を食べさせたらいいのかわかりません」
うさぎ畑には、こんな相談がたくさん届きます。
特に多いのが、うさぎさんの「歯」と「牧草」に関する悩みです。
うさぎさんの歯は、一生伸び続けます。
だからこそ、毎日の食事で歯が適切に摩耗することが、とても大切になります。
ところが、不正咬合などによって歯の噛み合わせに問題が起こると、「食べるために噛む」ことそのものが難しくなる場合があります。
すると牧草を食べなくなる。
牧草を食べないことで、さらに食事量が減る。
食事量が減れば、飼い主さんはますます心配になる。
そして、何種類もの牧草を試すことになります。
「この牧草なら食べるかも」
「こっちはどうかな?」
「柔らかいものなら食べるかな?」
それでも食べてくれない。
この繰り返しは、うさぎさんにとってだけでなく、飼い主さんにとっても本当に苦しいものです。
今回は、うさぎ畑に実際に届いた飼い主さんの声を紹介しながら、うさぎの不正咬合と牧草を食べない問題について考えてみます。

うさぎの不正咬合とは?
不正咬合とは、簡単に言えば、歯の噛み合わせが正常ではなくなっている状態です。
うさぎさんの歯は、人間の歯とは違い、一生伸び続けます。
そのため、食事をするときに歯を使って適切に咀嚼することで、少しずつ歯が摩耗していきます。
特に牧草は、ペレットなどとは違い、繊維を何度も噛んで食べる必要があります。
うさぎさんが牧草をモグモグ、スリスリと食べているのは、単にお腹を満たしているだけではありません。
牧草を食べるという行為そのものが、歯を使う大切な時間でもあるのです。
一方、ペレットは口の中で崩れやすく、牧草とは噛み方が異なります。
そのため、「ペレットは食べるのに牧草は食べない」という状態になったときには、歯や口の中に問題がないか確認することも大切です。
ただし、不正咬合は「牧草を食べれば必ず防げる」という単純なものではありません。
遺伝的な要因や骨格、歯根の問題、病気など、さまざまな原因が関係することがあります。
だからこそ、「牧草を食べない=飼い主の管理が悪い」と考えないでください。
「牧草を食べないから歯が伸びる」という悪循環
うさぎ畑に届いた声の中に、とても切実なものがあります。
「去年の冬ごろから年齢的な事もあるのか食欲が落ちてしまい、牧草も食べないし。種類を変えながら与えていました」
その後、
「その結果、歯が伸びてもっと食欲が落ちてしまい。歯が伸びて削ってもらってを繰り返し」
という状態になったそうです。
飼い主さんは、
「とにかく何でも良いので食べて!」
という気持ちで、うさぎさんが食べられるものを探していました。
この「何でもいいから食べてほしい」という気持ち。
うさぎさんの食欲に悩んだ経験がある方なら、きっと分かるのではないでしょうか。
牧草を食べてほしい。
でも食べない。
歯が心配。
だから別の牧草を探す。
それでも食べない。
そんな状態が続くと、飼い主さんも精神的に疲れてしまいます。
「不正咬合だから牧草を食べない」うさぎさん
実際に、
「うちの子は、不正咬合で牧草を食べたがりません」
という飼い主さんからの相談がありました。
獣医師からも、少しでも牧草を食べることが必要だと言われていたそうです。
そこで、うさぎ畑の牧草を試してみたところ、
「最初、今までになかった食いつきを示しました」
とのこと。
ところが、その後、
「不正咬合のため、食べにくいそうでもあり、一度歯を整えてもらってから、再度注文してみようと思っています」
と教えてくださいました。
この声からも分かるように、牧草そのものが「嫌い」なのではなく、歯の状態によって「食べにくい」という可能性があります。
ここは、牧草を食べないうさぎさんを考えるうえで、とても重要なポイントです。
8歳になって「今までの牧草が食べられなくなった」
こんな声もありました。
8歳のホーランドロップの男の子。
歯根が上下とも伸びて、今まで好んで食べていたものが、ことごとく食べられなくなってしまったそうです。
他の牧草もいろいろ試したものの、なかなか食べてくれるものが見つからない。
飼い主さんが半ば諦めかけていたところ、うさぎ畑の「茶葉多いチモシー」のサンプルを与えてみました。
すると、
「こちらの茶葉多いチモシーのサンプルはあげた瞬間にモシャモシャと!!びっくりしました!!」
という嬉しい声が届きました。
そして、すぐに商品を注文してくださいました。
「歯の状態が悪いから、もう牧草は食べられない」
と諦める前に、その子が食べられる硬さや太さ、香り、食感の牧草を探してみる。
それによって、「食べられるもの」が見つかることがあります。
不正咬合のうさぎさんは、食べられる牧草が変わることがある
もうすぐ11歳になるうさぎさんからも、非常に興味深い声が届いています。
もともとグルメで偏食気味。
ここ数年はチモシーをほとんど食べず、うさぎ畑の乾燥イタリアンライグラスをメインに食べていたそうです。
ところが、ここ1年ほどは毎月奥歯のカットが必要になりました。
そして、
「術後の度に食べる牧草の種類が変わります」
とのこと。
飼い主さんは、
「その時々の歯の具合によって食べれるもの、食べにくいものがあるんだと思います」
と感じていました。
これは、とても大切な気づきです。
不正咬合があるから「この牧草しか食べない」と決まっているわけではありません。
歯の状態によって、昨日まで食べられた牧草が、今日は食べにくくなることもあります。
反対に、今まで食べなかった牧草を、歯の処置後に食べるようになることもあります。
だからこそ、不正咬合のうさぎさんでは、「この子の定番」を一つだけ決めてしまうより、いくつか食べられる牧草を見つけておくことも大切です。
「柔らかい牧草ばかりでいいの?」という悩み
不正咬合のうさぎさんを飼っている方から、よく聞かれる質問があります。
「柔らかい牧草ばかり与えているけど、大丈夫でしょうか?」
実際に、
「かと言って柔らかい牧草ばかり与えるのは歯に良くないのでしょうか?」
という声も届いています。
これは、とても難しい問題です。
健康なうさぎさんであれば、牧草をしっかり噛んで食べることは、歯の摩耗という意味でも重要です。
しかし、すでに不正咬合があり、硬い牧草を噛むこと自体が痛かったり、食べにくかったりするうさぎさんもいます。
その場合、
「歯のためだから硬い牧草を食べさせなければ」
と無理をさせて、結果的に食事量そのものが減ってしまうのも心配です。
歯の状態については、まず獣医師に診てもらいましょう。
そのうえで、その子が無理なく食べられる牧草を探していく。
「硬いか、柔らかいか」だけで判断するのではなく、
「今のこの子が、ちゃんと口に運んで食べられるか」
という視点も大切です。
「牧草を食べないから歯が伸びた」のか、「歯が痛いから牧草を食べない」のか
ここは、飼い主さんが非常に悩むところです。
「牧草を食べないから歯が伸びたの?」
それとも、
「歯が痛いから牧草を食べなくなったの?」
実際には、両方が関係していることがあります。
うさぎ畑には、
「牧草を食べなくなって、歯が伸びてしまった」
という声もあれば、
「不正咬合で、歯が痛くて牧草を食べられなくなった」
という声もあります。
さらに、
「不正咬合で毎月歯を切り、痛み止めの薬も飲んでいるのですが、牧草を食べてくれません」
という相談もありました。
つまり、「牧草を食べない」という一つの症状だけを見ても、その背景はうさぎさんによって違います。
だからこそ、牧草を食べない状態が続いている場合は、「好き嫌い」と決めつけず、歯や口の中の診察を受けることが大切です。
「30種類以上試したのに食べない」という現実
ある飼い主さんは、
「チモシー含め牧草を30種類以上ためしたのですが、ほとんどたべてくれません」
と話してくださいました。
この言葉を見たとき、飼い主さんがどれだけ頑張ってきたのかを考えました。
30種類です。
一つや二つではありません。
それでも食べない。
さらに、
「いろんな硬さや種類、かなり試してますが、減らないです」
という声もあります。
牧草を食べてくれないと、飼い主さんは「もっと別のものを探さなければ」と思ってしまいます。
でも、何十種類試しても食べない場合には、牧草の好みだけではなく、歯や口の中、体調などを改めて確認することも必要です。
「食べないから、もっとおいしい牧草を探そう」
だけではなく、
「そもそも、この子は今、噛んで食べられる状態なのかな?」
と考えてみてください。
不正咬合でも「食べられる牧草」が見つかることがある
一方で、嬉しい声もたくさん届いています。
Googleの口コミには、
「不正咬合で牧草を全然食べてくれないのですが、うさぎ畑さんのは喜んで食べてくれます‼︎ 特にイタライが大好きで定期で頼んでいます」
という声がありました。
また、
「不正咬合で、牧草を食べてくれない子が、うさぎ畑の乾燥イタライを食べてもらえてよかったです」
という声もあります。
こうした声をいただくと、農家として本当に嬉しく思います。
ただ、私たちが「不正咬合でもこの牧草なら必ず食べます」と言いたいわけではありません。
うさぎさんによって、食べられるものは違います。
同じ不正咬合でも、食べられる牧草が違います。
だからこそ、いろいろな選択肢が必要なのです。
「硬い牧草」だけを目標にしない
牧草を食べてもらうことを考えると、
「硬い牧草を食べることが一番いい」
と思ってしまうかもしれません。
でも、不正咬合のうさぎさんでは、それだけを目標にすると苦しくなることがあります。
大切なのは、その子が現在どのような状態なのかを把握すること。
そして、獣医師の診断や治療方針を踏まえたうえで、無理なく食べられるものを探すことです。
「硬いから食べない」
「長いから食べにくい」
「太い茎が苦手」
「葉が多いものなら食べる」
「イタライなら食べる」
「オーツヘイなら食べる」
など、うさぎさんによって違います。
実際、長い牧草を自分で適切な長さにカットできず、口にうまく運び込めない可能性についての相談もありました。
「硬さ」だけではなく、「長さ」「太さ」「形状」なども、その子にとって食べやすいかどうかに関係する場合があります。
「食べない」を責めるのではなく、「食べられる」を探す
不正咬合のうさぎさんと暮らす飼い主さんには、どうしても「食べさせなければ」というプレッシャーがあります。
歯のために牧草を食べてほしい。
胃腸のためにも食べてほしい。
うんちを出してほしい。
だから、食べないと焦ります。
でも、うさぎさん自身も、食べたくても食べられないのかもしれません。
歯が痛い。
噛みにくい。
口に運びにくい。
体勢がつらい。
そんな状態なら、「食べなさい」と言われても難しいですよね。
だからこそ、
「どうして食べないの?」
ではなく、
「どうしたら、この子は食べられる?」
と考えてみてください。
この視点に変えるだけで、牧草選びが少し楽になることがあります。
飼い主さんの「食べてほしい」は、愛情そのもの
うさぎ畑に届く相談を読んでいると、飼い主さんの気持ちが伝わってきます。
「鬱滞にならないかハラハラしています」
「本当に食べられる牧草がないか探しています」
「何なら食べてくれるのか毎日頭を抱えています」
「少しでもどれか食べてもらえたらなあと思います」
どの言葉にも共通しているのは、
「この子に元気でいてほしい」
という気持ちです。
だから、牧草を何種類試しても食べないとき、自分を責めないでください。
歯の病気は、飼い主さんの努力だけで解決できるものではありません。
治療が必要な場合には、獣医師の力を借りる。
そして、その子が今食べられるものを探す。
それでいいのだと思います。
不正咬合のうさぎさんに「食べる選択肢」を
うさぎさんの歯は一生伸び続けます。
だからこそ、牧草をしっかり噛んで食べることは、歯の健康を考えるうえで重要です。
でも、不正咬合になったうさぎさんにとっては、「歯のために牧草を食べる」ということ自体が難しくなっている場合があります。
そんなときは、
「この子は何なら食べられるのか」
を探してみてください。
チモシーだけではありません。
イタリアンライグラス。
オーツヘイ。
ライ麦。
その他のイネ科牧草。
その子によって、好きな香りや食感は違います。
実際に、チモシーをほとんど食べなくなったシニアうさぎさんが、イタライを食べ続けている例もあります。
歯の状態によって、術後に食べられる牧草が変わる子もいます。
「この子はチモシー嫌い」
と決めつけず、
「今のこの子が食べられる牧草は何だろう?」
と探してみてください。
まとめ|不正咬合で牧草を食べないうさぎさんへ
うさぎの不正咬合は、飼い主さんにとって非常に大きな悩みです。
牧草を食べない。
歯が伸びる。
歯の処置をする。
それでも牧草を食べない。
そんな繰り返しになることもあります。
そして、飼い主さんは「何を食べさせればいいの?」と悩み続けます。
でも、どうか一人で抱え込まないでください。
まずは、歯や口の中に問題がないか動物病院で確認する。
痛みや不正咬合がある場合は、獣医師の治療を受ける。
そのうえで、その子が無理なく食べられる牧草を探していく。
これが大切です。
不正咬合があるからといって、すべての牧草が食べられないとは限りません。
実際にうさぎ畑には、
「不正咬合でもイタライなら食べるようになった」
「今までの牧草は食べられなくなったけれど、茶葉多いチモシーは食べてくれた」
「歯の処置後、その時々で食べられる牧草が変わる」
「何十種類試しても食べなかったけれど、ある牧草だけは食べた」
という飼い主さんの声が届いています。
うさぎさんの「食べる」は、一羽一羽違います。
そして、その「食べる」は、年齢や歯の状態、体調によって変わることがあります。
だからこそ、
「食べさせなければ」
ではなく、
「今のこの子が食べられるものを探そう」
と考えてみてください。
飼い主さんが頑張ってきたことは、決して無駄ではありません。
一つ食べなかった。
また一つ食べなかった。
それでも探し続けて、やっと「これなら食べる」が見つかる。
その瞬間の嬉しさは、私たちにもたくさん届いています。
うさぎ畑は、病気を治すことも、歯を治療することもできません。
でも、「食べてくれるものを探したい」という飼い主さんの気持ちに寄り添い、牧草という選択肢を増やすことはできます。
不正咬合のうさぎさんにも、食べる喜びを。
そして、毎日「この子に何を食べさせればいいんだろう」と悩んでいる飼い主さんにも、少しでも安心を。
うさぎ畑は、うさぎさん一羽一羽の「食べる」に寄り添う専門農家です。
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