うさぎさんの加齢によって牧草食はどう変わる?
うさぎさんは5歳を超えると「シニア期」と言われ、体のさまざまな機能に変化が現れ始めます。
若い頃は牧草をたくさん食べていた子も、年齢とともに食べ方が変わったり、好みが変わったりすることがあります。

この記事では、
「シニアうさぎの牧草の食べ方はどう変わるのか?」
「どんな牧草を選ぶべきか?」
「高齢期に気をつけたいポイント」
を、飼い主さんに寄り添いながらわかりやすくまとめました。
高齢になるうさぎさんと暮らす上で、食事の変化を理解することはとても大切です。
どうか無理のない範囲で、その子のペースに合わせながらサポートしてあげてくださいね。
目次
1. 噛む力の変化 ― 硬い牧草が食べにくくなることがあります
若い頃は、太いチモシー一番刈りをバリバリ噛んでいたうさぎさんも、
加齢によって顎の力や筋力が低下し、硬い茎を噛むのが難しくなってきます。
そのため…
- 一番刈りを残すことが増える
- 柔らかい二番刈り・三番刈りを好む
- 葉先ばかり選んで食べる
という変化がよく見られます。
● でも「柔らかい牧草だけ」にするのはちょっと注意
柔らかい牧草は食べやすい一方で、
胃腸をしっかり動かすための不溶性繊維が減ってしまうというデメリットがあります。
そのため、理想は…
- 一番刈りをベースに
- 二番刈りを“つなぎ”として混ぜる
- 食べやすい中間食感の牧草(イタリアンライグラスなど)を組み合わせる
といった「ミックス方式」です。
もしまったく硬い茎を食べなくなった場合は、
無理をせず その子が食べられる範囲の牧草でOK です。
高齢期は“食べる意欲を保つこと”が最優先になります。
2. 消化機能の変化 ― 胃腸が繊細になっていく
年齢とともに胃腸の動きが弱くなり、
繊維質の消化が若い頃より難しくなることがあります。
- うんちが小さくなる
- 量が減る
- お腹が張りやすい
- 食後にじっとしている
などのサインが見えたら、消化が追いついていない可能性があります。
● 対策
- 柔らかめのイネ科牧草を増やす
- 食物繊維が細かい品種を取り入れる(スーダングラスなど)
- 生牧草や生野菜で水分を補いながら胃腸をサポート
特に生牧草はシニア期にとても相性がよく、
繊維+水分 を同時に摂れるため胃腸の負担が少なくなります。
3. 食欲の変化 ― 食べるスピードも食べる量も少しずつゆっくりに
高齢になると筋肉量が減り、
身体の動きもゆっくりになります。
そのため…
- 牧草に手をつけるまで時間がかかる
- 一度に食べる量が減る
- 食事の時間が長くなる
こうした変化がよく見られます。
● 食欲が落ちた時のサポート
- 香りの強い牧草(イタリアンライグラスなど)を使う
- 食べやすいサイズにカットされた牧草を混ぜる
- 生牧草や野菜で水分と食べる意欲を引き出す
- シニア向け栄養補助食を少量プラスする
“食べたい気持ち”を引き出せる工夫が大切です。
4. 歯の健康 ― 牧草量が減ると歯トラブルが出やすくなる
うさぎさんの歯は一生伸び続けます。
牧草をしっかり噛むことで歯がすり減り、長さが保たれています。
しかし高齢になると、
- 牧草の摂取量が減る
- 柔らかい葉ばかり食べる
という変化によって、
歯が十分に削れなくなることがあります。
その結果、
- 歯の過長歯
- 不正咬合
- 口内の痛み
- 食欲低下
などのトラブルが起きることも。
● 対策
- 定期的に動物病院で歯をチェック
- 食べられる範囲で“ほどよい硬さ”の茎を混ぜてみる
- 噛むのが辛そうな場合は無理をさせず、その子の食べやすい牧草にシフト
歯と胃腸は深くつながっているため、
“食べられる牧草の確保”が何より大切です。
5. 水分摂取 ― シニア期は脱水に注意
高齢うさぎさんは水を飲む量が減る傾向があります。
脱水は胃腸の動きが鈍る原因となるため、
牧草だけでなく 水分補給がとても重要になります。
● 水分摂取の工夫
- 生牧草を少し取り入れる
- 水分の多い野菜を少量追加
- ぬるま湯を与える
- 給水器から器に変える(飲みやすくなる)
- いつもより多めに水置きを用意する
「水を飲むのが辛くなっていないか?」
という視点で見守ることが大切です。
6. 環境の変化 ― 小さな変化で体調を崩しやすくなる
シニア期は若い頃より ストレスに敏感 になります。
- 気温変化
- 湿度
- 音
- 部屋のレイアウト
- 新しい匂い
ちょっとした変化でも体調を崩し、
牧草を食べられなくなることもあります。
● シニア期の環境ポイント
- 室温は20~26℃をキープ
- 湿度は40〜60%を目安に
- 冷暖房の風が直接当たらないようにする
- 寝床を静かで安心できる場所にする
- スロープや段差を減らす
そして、
今まで食べなかった牧草にもチャレンジするのはとても良いことです。
シニアうさぎさんは“食べられる種類”が多いほど、
体調が揺らいだときの食事コントロールがしやすくなります。
まとめ ― シニア期のうさぎさんと牧草は「変化を受け入れて寄り添う」が大切
高齢うさぎさんの牧草食は、若い頃とは大きく変わっていきます。
- 硬い牧草が食べにくくなる
- 食欲がゆっくりになる
- 胃腸が繊細になる
- 歯のトラブルが増える
- 水分が不足しやすい
- 環境に敏感になる
こうした変化は「老い」ではありますが、
決して悲観しなくても大丈夫です。
むしろ、
“その子が食べられる牧草を見つけてあげる喜び”
がシニア期にはたくさんあります。
「一番刈りを食べなくなったからダメ」ではなく、
「二番刈りを喜んで食べるならそれでいい」
そんなふうに受け止めてあげると、
うさぎさんも飼い主さんも幸せに暮らせます。
牧草を楽しめるシニア期は、
うさぎさんにとっても飼い主さんにとっても、とても大切な時間です。
どうかその変化を優しく受け止めながら、無理のない食事を続けてあげてくださいね。
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