うさぎさんの食糞の意味とは?

うさぎさんは健康のために自分のうんちを食べることをご存じでしょうか?その行動を食糞と呼びます。うんちを食べると言っても、全部食べるわけではありません。

うさぎさんは、固いものとやわらかいものの二種類のうんちをします。やわらかいうんちを盲腸便と言い、ツヤツヤした粘膜に包まれた粒状のかたちをしています。うさぎさんが盲腸便を食べる行為を食糞と言います。盲腸便は排出と同時にうさぎさんが食べてしまうので、飼い主さんが目にすることはほとんどありません。うさぎさんのうんちのうち、半分以上が盲腸便とも言われています。

盲腸便には、うさぎさんに有益な微生物やたんぱく質、ビタミン類が豊富に含まれています。盲腸では、小さめの食物繊維が盲腸便へと姿を変えますが、吸収力の低い盲腸では栄養摂取しにくいため、一度排出して食べることでうさぎさんが栄養吸収できる仕組みになっています。

イネ科など栄養に乏しい牧草をたくさん食べるうさぎさんは、摂取した豊富な食物繊維が盲腸便となり、健康維持に役立ちます。ペレットなど栄養がたっぷり入った食事が多いうさぎさんは盲腸便を作る必要性が低くなるので、盲腸便ができにくく、食糞行動が少ないと言われています。

食糞行動は、うさぎさんが自然界の栄養が乏しい食べ物で生き残っていく過程で身に付けた素晴らしい仕組みのひとつです。うさぎさんの活発な食糞を促す意味でも、食物繊維たっぷりの牧草をたくさん食べてもらう習慣を作っていきましょう。