うさぎさんの牧草嫌いを克服するには?~多くの飼い主さんが抱える“食べてくれない”悩みに寄り添って~
うさぎさんをお迎えしてしばらくすると、多くの飼い主さんがぶつかる壁があります。それが牧草嫌いです。
「全然牧草を食べてくれない…」
「ペレットはよく食べるのに、牧草だけ残す…」
「健康のために食べてほしいのに、どうしても食べない…」

こうした悩みは非常に多く、決して“うちの子だけ”ではありません。むしろ、牧草嫌いはほとんどの飼い主さんが一度は経験する共通の悩みです。
牧草はうさぎさんの健康を守る“主食”。だからこそ、食べてくれないと不安になりますよね。ですが、牧草嫌いには必ず理由があり、ほんの少しの工夫で改善につながるケースが多いんです。
この記事では、特に効果の高い
① 香りの良い牧草を選ぶこと
② 牧草の与え方(タイミング)を整えること
この2つを中心に、牧草嫌い克服のポイントをやさしく解説します。
これまで大勢の飼い主さんが実践して改善につながった内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 牧草嫌い克服の第一歩は「香り」。嗜好性が変わる一番のポイント
まず最初に、牧草嫌いの多くの原因となるのが、牧草そのものの香りと質です。
うさぎさんにとって「おいしい牧草」とは、
● 香りが強い
● 緑色がしっかり残っている
● 茎と葉のバランスがよい
● 新鮮で、粉ばかりではない
こうした特徴を備えた牧草です。
中でも、特に大切なのが「香り」。うさぎさんは嗅覚がとても鋭く、香りで食べ物の良し悪しを判断します。
● 外国産牧草は香りが抜けやすい
多くの外国産牧草は“天日干し”で大量生産されています。コストを抑えやすく手に入りやすいというメリットはありますが、天日干しはどうしても香り成分が飛びやすく、
香りが弱い → 食いつきが弱い
という結果になりがちです。

もちろん外国産が悪いわけではありませんが、牧草嫌いの子にとっては“香り弱め”の牧草はハードルが高いのです。
● 国内産牧草は香りが残りやすい
国内産牧草の多くは、刈ってすぐに**機械乾燥(熱風乾燥)**されます。この方法は香りを閉じ込めやすく、
● 緑色が濃い
● 香りが強く残る
● 茎がしなやか
という特徴が出やすいため、牧草嫌いの子が食べ始めるきっかけになりやすいです。

実際、牧草嫌いで悩んでいた子が
「香りの強い国内産に変えたら食べ始めた」
というケースはとても多いです。
もし今の牧草をあまり食べないのなら、
香りのよい牧草を試す
これだけでも大きく改善する可能性があります。
2. 牧草嫌いは「与え方」で逆転する
ペレットの量・順番・タイミングが大事
次に見直すべきは“牧草の与え方”です。
実は、ほとんどの飼い主さんが
知らないうちに牧草を食べにくい環境を作ってしまっている
ことがあります。
● 空腹時にペレット → 牧草を食べないのは当然
うさぎさんは嗅覚が鋭く、
香りの強いもの・味の濃いもの
から優先して食べます。
つまり、空腹のタイミングでペレットをあげてしまうと
ペレットで満腹 → 牧草は食べない
という結果になってしまいます。
「ペレットを減らすのはかわいそう…」
「最初にあげないと落ち着かなくて…」
そんなお気持ち、とてもよく分かります。
ですが、牧草をしっかり食べるためには
空腹時にはまず牧草を与える
という習慣がとても重要です。
● 牧草はうさぎさんの健康の“柱”
牧草には
● 腸の動きを維持する
● 毛球症を防ぐ
● 歯を自然に削る
という役割があります。
そのため、食事の優先順位は
牧草 > ペレット
というのが健康的です。
最初は戸惑うかもしれませんが、
ほとんどのうさぎさんは「空腹時に牧草を食べる習慣」を作れば、自然と食べるようになります。
3. 牧草時間を作ろう
牧草相談所でも推奨される“習慣化のコツ”
牧草だけをしっかり食べる時間のことを、
「牧草時間」
と呼んでいます。
これは、
● 他の食べ物を出さない
● 空腹時に牧草だけ置く
● 香りのいい牧草を常に新鮮な状態で置く
というシンプルな時間づくりです。
● どれくらい続ければいい?
早い子なら数日、慎重な子でも2〜4週間程度で
● 牧草を気にし始める
● 匂いを嗅ぐ回数が増える
● 少しずつ食べ始める
といった変化が見られます。
急かさず、叱らず、気長に続けることが大切です。
4. 牧草嫌いは“うちの子だけじゃない”
悩まないで大丈夫
牧草を食べないと、飼い主さんはどうしても不安になり、
「この子、ずっと牧草嫌いなの?」
「健康に影響が出てしまわないか心配…」
と考えてしまいますよね。
でも、安心してください。
牧草嫌いは多くの飼い主さんが通る道で、
その子に合った牧草や与え方にまだ出会えていないだけ
というケースがほとんどです。

ちょっとした工夫だけで
● 急に食べ始める
● 好きな種類が見つかる
● 毎日安定して牧草を食べる子になる
そんな変化がしっかり起こります。
あなたの育て方が悪いのではありません。
うさぎさんも、あなたも十分頑張っています。
5. まとめ:牧草嫌いは必ず克服できます
牧草嫌いは「性格」ではなく、
**環境や選び方によって変えることができる“習慣”**です。
今日からできるシンプルなステップは以下の3つ。
- 香りの良い牧草に変えてみる
- 空腹時にはまず牧草を与える
- 牧草だけに集中できる“牧草時間”を作る
この3つだけで、大きな変化が期待できます。
うさぎさんは本来、牧草を主食とする動物です。
その本能を引き出す環境さえ整えば、必ず“食べる子”に変わります。
ぜひ、焦らず、ゆっくり、その子のペースで。
そして、少しの食べた量も「できたね」と一緒に喜びながら、牧草習慣を育てていきましょう。
あなたとうさぎさんの毎日が、もっと安心で、もっと楽しくなりますように。
食いつき良い乾燥牧草をぜひ試してみませんか?

